デスクワークで、腰痛に悩まされている方は非常に多いです。腰痛を予防しようとしても、原因が分からない方も多いのではないでしょうか。本記事では、デスクワークの人がなりやすい腰痛の原因を紹介します。普段の行動を見返しながら、自分の原因にあった腰痛対策を行いましょう。
デスクワークによる腰痛の原因は?
デスクワークによる腰痛の原因は、主に「動作的な要因」「環境的な要因」の2つに分けられます。
動作的な要因
動作的な要因とは、腰部に過度な負荷を与える動作の事を指します。過度な負荷と聞くと、激しい運動を想像されるかもしれませんが、実際はそのようなものばかりではありません。何気なくしている行動が、腰に負担を与えている可能性がありますので、具体的な例を紹介します。
誤った姿勢で座っている
要因の1つに、誤った姿勢で座り続ける事があげられます。例えば、椅子に浅く腰を掛け、背筋を伸ばす座り方です。見た目は綺麗で、正しい座り方に思えますが、重心が前にくるため、反り腰になる可能性があります。このような誤った姿勢は、腰痛の原因となります。
長時間同じ姿勢で座っている
長時間同じ姿勢でいることも要因の1つです。長時間同じ姿勢でいることで、筋肉が疲労により固まりやすくなります。その結果、血流が悪くなり痛みにつながることがあります。その他、椎間板と呼ばれる体のクッションの働きをしている部分に圧がかかり、腰痛につながってしまうケースもあります。特にデスクワークでは、長時間座り続ける事が多いので、疲労が蓄積されがちです。
環境的な要因
環境的な要因とは、気候や、社内の温度、使用しているデスクや椅子などによるものです。悪環境の中で作業を続ける事で、腰への負担が蓄積され腰痛に繋がります。
机と椅子の高さがあってない
机と椅子の高さが合っていない場合も、腰痛の原因となるでしょう。高さが合わない状態でPC作業などをおこなうと、前傾姿勢になりがちです。前傾姿勢が続く事により、腰椎に過度な負担がかかり腰痛を発症します。長時間椅子に座る行為自体、腰に負担が掛かる上、高さが合わないことで更に、負担を増やすことになります。机と椅子の高さが合っていない場合は、改善しましょう。
寒い環境で作業している
体は冷えると体温を奪われないために、筋肉や血管を収縮させます。その結果、血行不良となり、疲労物質がたまりやすく腰痛になります。夏でもエアコン等で体が冷える環境の場合には、羽織りを使うなどの寒さ対策をしながら、作業をおこなうのがおすすめです。
デスクワークで腰痛を防ぐには、座り方が重要!
デスクワークでは、勤務時間の大半を座って過ごすため、腰に負担を与えない座り方が大切です。動作的な要因で記載したように、誤った座り方で長時間座り続けると、腰痛になる可能性が高まります。誤った座り方と正しい座り方を覚え、姿勢には気を付けてデスクワークを行いましょう。
デスクワークで腰痛になりやすい5つの危険な座り方
ではどのような座り方が腰痛になりやすいのでしょうか。ここでは腰痛になりやすい座り方を5つ紹介します。普段の座り方が当てはまらないか、チェックして読んでみてください。
①重心が背中に置かれている座り方
背もたれに、大きくもたれて座る姿勢です。背もたれにもたれること自体は、悪いことではありません。しかし、常に背もたれを使用していると骨盤が倒れ、姿勢が崩れやすくなります。その結果、腰痛に繋がってしまうので、背もたれを使う時間に気を付けましょう。
②猫背で座る
猫背で座るとは、背中を丸めた状態で座る状態です。デスクワークやスマホ使用時に、目線より下にある画面を近くで見ようと頭を前に出すことで、背中が丸まってしまうことが原因です。猫背が引き起こすのは、腰痛だけではありません。猫背になってしまうと肩こり、ストレートネックなどの弊害が生じる可能性があります。モニターの高さを調整したり、猫背対策を行いましょう。
③腰が沿っている状態(反り腰)で座る
モデル座りといわれる座り方です。椅子に浅く腰かけて、背筋を伸ばして座る姿勢は、綺麗に見えますが、重心が前になり、反り腰の原因となります。腰が反っていると筋肉の緊張により血流が低下し、腰痛になりやすいので注意が必要です。
④足を組んで座る
足を組んで座ると、骨盤が歪んでしまい、腰に負担がかかります。この姿勢を続けると、体全体の歪みに発展し、猫背にもなりやすいです。頭が腰より前に出やすい姿勢は、腰痛だけでなく、肩こりなどの弊害も生じる可能性があります。足を組む原因は様々ですが、椅子の高さの調整など、工夫をして改善を目指しましょう。
⑤ずっこけ座りをする
背もたれによりかかり、お尻を前に突き出した状態で座る姿勢です。長時間椅子に座り続けると姿勢が崩れてしまい、いつの間にかずっこけ座りになっている人も多いのではないでしょうか。腰椎の湾曲を変えてしまい、椎間板ヘルニアの原因にもなる危険な座り方のため、意識的な改善が必要です。
デスクワークで腰痛を防ぐ3つの座り方
ここまでは、腰痛になりやすい座り方を紹介しました。では、どうすれば腰痛を防げるのでしょうか?誰でもできる、簡単な腰痛防止の座り方を3つ紹介します。正しい座り方を覚え、腰痛を防ぎましょう。
①骨盤を立てて座る
まず椅子に深く腰かけ、足と膝の角度が90度になるように座ります。次に、座骨に均等に体重がかかるように、体を左右に揺らして位置の調整を行いましょう。この姿勢が骨盤を立てる座り方です。日頃からこの姿勢を維持することで、腰にかかる負担を減らし、腰痛予防になります。
②踵まで足裏全体を地面につける
椅子に座ると、つい足を浮かせてしまう方も多いのではないでしょうか。足を浮かせた状態では、体重を支える部位が腰だけになり、腰への負担が大きくなります。それを防ぐために踵だけ、つま先だけでなく、足裏全体を地面につけて体を支えましょう。簡単なことではありますが、取り入れることで腰痛対策になります。
③前傾姿勢を避ける
前傾姿勢になると、猫背にもなりやすく危険です。
業務に集中するとつい前傾姿勢になりがちですが、1時間に1度は立ち上がり、屈伸運動などの簡単なストレッチを取り入れましょう。
座り方以外にも!デスクワークによる腰痛を防ぐ4つの方法
環境周りや休憩時間の見直し、腰痛の予防をすることをお勧めします。デスクワークでの腰痛を防ぐ方法は、座り方以外にもあります。
①机と椅子の距離・高さを調整する
机と椅子の高さや距離が合っていない場合、前傾姿勢になりやすく腰に負担をかけやすくなります。高さ調整をする際は、足裏全体が地面につくか、足と膝の角度を90度にできるかどうかなど、先に述べた正しい座り方のポイントを意識して、調整を行いましょう。デスク周りも見直し、体に負担をかけにくい環境を作ることも大切です。
②寒さ対策を行う
冷えによる腰痛は冬場だけに限らず、夏のクーラーによる冷えも腰痛の原因となります。エアコンの温度を調整、ひざ掛けや上着など温度を調整できるものを用意して、体温調整ができるようにしましょう。また、できるだけ体の冷える食べ物は避け、温まりやすいものを摂取するように心掛けることをお勧めします。
③腰痛負担軽減グッズを使う
自身での対策が難しい場合は、クッションやサポーターなどの腰痛グッズに頼りましょう。
様々な腰痛グッズが販売されており、猫背・反り腰改善サポーター、体重分散クッションなど、目的に合わせた腰痛グッズの購入が可能です。購入する際は、自身の体に合っているかどうかを確認してから、購入するようにしましょう。サイズが合わないものを使用すると、かえって腰痛の原因になるので要注意です。
④休憩時間にストレッチをする
長時間椅子に座りっぱなしだと、腰への負担が大きく、腰痛発症に繋がります。具体的なストレッチを紹介するので、適度に体を動かして腰痛予防を行いましょう。デスク周りでも、簡単にできるストレッチを紹介します。短い休憩時間でもできますので、長時間デスクワークをされる方は取り入れてみてください。ただし、ストレッチ中に痛みや痺れを感じたときは、直ちにストレッチを中止してください。痛みが数日たってもひかない場合は、医師に相談しましょう。
体を反るストレッチ
まず両手を腰に添えます。次に肩幅程度に足を開き、膝を曲げないように体を後ろに反らし、2〜3秒程度反らした状態をキープします。その後元の姿勢に戻します。この動作を10回前後行いましょう。
腰をかがめるストレッチ
背骨を正しい位置に戻すためのストレッチです。椅子に浅く腰かけ、息を吐きながらゆっくりと上半身を倒します。体を倒し切ったら3秒ほど姿勢をキープし、ゆっくり戻します。この動作を3回程繰り返しましょう。
大臀筋のストレッチ
大臀筋と呼ばれるお尻の筋肉のストレッチです。椅子に浅く腰掛け、伸ばしたい側の足を反対の膝にのせ、あぐらをかくような姿勢をとります。組んでいる足に向かって、体をゆっくり倒していきます。倒した状態を10〜20秒キープし、3回程度行いましょう。反対側も同じように繰り返します。この時、腰が丸まらないように注意しましょう。
太もも裏のストレッチ
椅子に浅く腰かけ、伸ばした側の足を前に出します。反対の足は直角になるように座ります。その後、伸ばした足のつま先を立て、つま先に向けて両腕を伸ばしていきます。この状態を10〜20秒の間、呼吸を止めないようにしてキープします。反対側も同じように繰り返します。体が硬くて足に届かない人は、膝をまげても大丈夫です。伸びを意識して行いましょう。
デスクワークの腰痛を防ぐには日頃の予防も大切
デスクワークの腰痛改善、予防方法をお伝えしてきました。ここまでの内容も大切ですが、腰痛を防ぐには日頃からの健康管理が重要です。誰でも簡単にできる腰痛予防を、2つ紹介します。ぜひ、日頃の生活に取り入れて腰痛とは無縁の生活を手に入れましょう。
暖かいお風呂に入る
40℃前後のぬるま湯に10~15分程度つかるのが理想的です。少しぬるく感じられるかもしれませんが、副交感神経を優位にしリラックス効果のある温度です。他にも筋肉の緊張を緩めたり、血行促進の効果もあるので、日頃からお風呂につかるだけで十分に腰痛対策になります。しかし、激しい痛みや炎症を伴う腰痛の場合は逆効果になる可能性があるので、注意が必要です。
運動習慣を付ける
ウォーキングなどの運動を無理のない範囲で生活習慣に取り入れ、身体機能を落とさないことが大切です。運動習慣を付けることで筋力・心肺機能の向上や血圧・血糖値の改善など健康な体づくりに必要な効果が得られます。筋力が衰えてしまうと筋肉が体を支えられなくなり、腰痛になりやすくなります。15分程度のウォーキングから始め、徐々に距離を伸ばしていきましょう。
それでも腰痛が治らない場合はプロに頼ろう
腰痛のためにいろいろ試しても、治らない方もいるでしょう。そんなときは1人で抱え込まず、接骨院で相談しましょう。体に対する専門的な知識や資格を持ち、腰痛を根本から改善する手助けをしてくれます。あなたの悩みに合わせてアプローチをしてくれるので、どうしても治らないときはプロに頼ることをお勧めします。
まとめ
本記事では、デスクワークによる腰痛について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?普段している座り方が、悪い座り方だった方もいると思います。正しい座り方を覚え、日頃からの予防を行って、腰痛にならないような生活を心掛けましょう。くろだ接骨院では腰痛をはじめ、交通事故治療など様々な症状に対応しています。体のことでお悩みなら一度、くろだ接骨院にお越しください。
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